田中正造大学 2003年春期定期講座

田中正造大学 2003年春期定期講座

◆2003年5月18日(日)◆佐野市小中集落センター◆受講料 1,000円◆

  足尾と渡良瀬川流域をつなぐ

  ――足尾の環境と歴史を生かした地域づくりについて考える――

           足尾の環境と歴史を考える会会長  利根川治夫

 

【講師からのメッセージ】

「鉱害の原点」足尾銅山は、1973(昭和48)年閉山した。その後、足尾町の人口は減少を続け、急激に過疎化が進んだ。そのような中で、1991年、大手ゼネコンは、巨大廃棄物処分場を足尾町松木谷に造成する計画を作成した。足尾町は、足尾町が再び鉱害の「発生源」とならないようにと、沿線市町村と共同して反対運動を展開し、1998年には計画を事実上中止させた。本計画の中止は、足尾町、さらには渡良瀬川流域にとって歴史的事件であった。廃棄物処分場建設に対する反対運動が行われるなかで、1996年には「足尾に緑を育てる会」が設立された。1997年には、足尾町は「全町地域博物館化構想(エコミュージアム構想)」を策定し、この構想の一環として、2000年に「足尾環境学習センター」を整備した。同センターは、足尾町が鉱害・環境問題を正面に据えた最初の事業である。さらに、2001年には「足尾の環境と歴史を考える会」が発足した。ところが、2003年現在、足尾町には新たな廃棄物処理施設整備計画がもちあがっている。本報告は、こうした歴史的経過を振り返る中で、流域市町村と協力して足尾町の環境と歴史を活かした地域づくりの推進こそが、足尾町の再生を可能にするものであるとの考えを報告するものである。

 

【講師プロフィール】

1942年 東京に生まれる。1975年 法政大学大学院経済学専攻所定単位取得。

現在 民間研究所主任研究員、早稲田大学法学部非常勤講師。日本環境学会常任幹事。

足尾の環境と歴史を考える会会長。

小中集落センター

小中集落センターは田中正造旧宅向側。両毛線

佐野駅より約4㎞、駅前にタクシーあり。東北

自動車道佐野インターより車で約15分。

 

問い合せ先――田中正造大学

〒327-0001栃木県佐野市小中町932

TEL・FAX 0283-23-2896(坂原辰男)

 

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