閉校のごあいさつ
2022年春、今回の最終講座で田中正造大学は幕を閉じます。1986年2月に開校してから35年間、これまで活動ができたのも地元の方々や全国各地からの皆々さまからのご支援とご協力の賜物であると感謝しております。ありがとうございました。
田中正造大学は、栃木県佐野市小中町の生家から、田中正造の思想と行動を学び現代に活かそうと開校しました。田中正造大学の活動の柱である定期講座は、延べ90回を数え、多くの先生方が教壇に立って戴きました。その中で先生と生徒との垣根を超えた学びを展開いたしました。そしてまた、環境保護運動、田中正造生家の完全保存運動等の活動を展開してきました。田中正造大学出版部をとおして、定期講座の講座録であるブックレット「救現」の発行、写真ハガキ、田中正造カレンダーの発行などを重ねてきました。その活動の中で、田中正造の精神を学び継承しようと普及に勤めてきました。
また2013年には、正造没後100年にあたり、「田中正造没後100年記念事業を進める会」という実行委員会を結成し、記念事業を様々の分野で展開してきました。各種講演会や映画会、「芸能で綴る田中正造」といつた正造の顕彰事業を開催し、正造の思想と行動の普及に勤めました。そして記念事業の最後に「田中正造未来への大行進」を実施し全国各地から多くの人々が佐野市に集まり、正造の葬列を再現いたしました。このように多くの皆さんと共に没後100年をとおして田中正造の魅力を発信してきました。しかし、記念事業が終了後、定期講座を継続して開催してきましたが、様々な事情でこれ以上、田中正造大学は継続できないとして、2020年の総会時において数年後の閉校を決議し、この度、田中正造大学は最終講座を開催するに至りました。
ここで田中正造大学は、若い人が引き継ぐことを期待しながら閉校したいと思います。いまなお、地球的規模で進む環境破壊、まだ収束が見えない原発事故、まだ終わらない水俣病事件、公害は、まだ終ってはいません。コロナ禍の不安の中、閉校は心苦しいことですが田中正造大学は幕を閉じたいと思います。
最後に改めてこれまで田中正造大学を支援、協力して戴いた皆さまに感謝します。ありがとうございました。
(文責 坂原辰男)