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受講の手続き
本大学は、入学試験はありません。受講料を払えばいつでも自由に入学でき、いつでも自由に卒業できます。また講義の内容にご不満があれば、受講料はお返しします。そして本大学の特徴は、年齢制限がないことです。子どもも大人も自由に入学し、卒業できます。
本校のモットー
本校は、《教授》《生徒》という立場を超え、自由にディスカッションをし、実践していくことをモットーとしています。ですから、相互に対等の立場の関係をつくります。知らないところは教え合い、意見の違いは、その違いをはっきりしつつ相互の研究の深化のために努力することがモットーです。
本校の目的
さて、本校の学長である田中正造は、先駆的なエコロジストと言われています。そのエコロジーの語源は、ギリシャ語で「すみか」の研究を意味しています。1960年代の後半、公害による環境破壊が問題となってから急に注目されてきた考え方です。今、具体的に問われているものは、環境、教育、平和の荒廃という20世紀末の危機をどのように乗り越えて生きていくかということと思われます。私たちの学長である田中正造は、かつて“地域の自治の必要性”を訴えて、足尾銅山鉱毒事件と闘いました。本校は、そうした正造の行動の歴史と思想を学ぶことを通して未来の日本を展望していきます。
現代の「亡国」は、地球的な規模で進んでいます。工業化・情報化社会になるにつれて豊かな人間性と豊かな自然を失い、それを回復することが強く求められています。しかし、これらの問題の根源的な解決は容易に達せられるとは思えません。それは常に「民」の立場からの「学」と「習」が必要とされています。
本校のカリキュラム
そこで田中正造大学は、「学」を正造の思想と行動と小中農教倶楽部に求め、「心」を学び(『規約』に曰く、田中正造夫妻を郷土の父母と敬い)、足尾から谷中村までの渡良瀬川流域を「習」のフィールドワークとする実践の中で、参加した皆様と共にカリキュラムを立てたいと考えています。ですから、田中正造大学の創立講演会以後は、参加した学生たちと共に討議したいと思います。
(1986年2月「開講の主旨」より)