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最終講座
【講師紹介】 友澤 悠季(ともざわ ゆうき)
1980年、神奈川県生まれ。京都大学大学院農学研究科博士後期課程修了。単著に『「問い」として公害-環境社会学者・飯島伸子の思索』(2014年、勁草書房)、共著に『宇井純セレクション』(全3巻、新泉社)。2016年に長崎県に来る前の8年間は埼玉県に居住。公害・環境問題を生み出す社会思想について考えている。
(※)友澤氏は、田中正造大学の聴講生です。歴代の講師の中で最年少の講師です。
【講座案内】
日本社会では、長らく、公害は「経済成長の歪み(ゆがみ・ひずみ)」だといわれてきた。しかし、この常套句はもう捨てたほうがよい。この言葉は、発した瞬間、私たちの思考を「しかたがなかった」という諦めへ誘導し、なんら教訓を残さないばかりか、いま苦境にある被害者の存在をも、見えなくしてしまう。例えば、公害を「未来への先食い」で「世代間戦争」と言い換えてみてはどうだろう(1960年代から2000年代まで一貫して公害告発を続けた宇井純の1973年の言葉)。スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんの怒りはとても自然な感情で、突出した環境活動家とラベルを貼ってすませるべきものではない。世紀をまたぎ、地域をこえてゆきわたる公害の現在を考えてみたい。